「のぼる小寺さん」は珈琲による漫画作品。
高校のクライミング部に所属する小寺(こてら)さんはボルダリングに夢中。
彼女のひたむきさに感化される周囲の人々との日常を描く。
一体この子はなんなんだ……? 彼女の、ミステリアスでささやかな日常をそっと覗き見る、新感覚日常コメディ!
(「のぼる小寺さん(1) (アフタヌーンコミックス)」より)
ボルダリングと小寺さん
小寺さんは渕上学園高校に通う1年生、ボルダリングが好きで、クライミング部に所属している女の子。
入学前から経験者で、中学時代も大会に出場していた。
”それなりに”というのがどの程度かは分からないが、有名人であったらしいことが入学時の先輩の反応でもうかがえる。
小寺さんは普段からボルダリングのことで頭がいっぱいで、教室でも一人で動画を見たりしている。
でも孤立しているわけではなく、クラスメイトの評判はむしろいい。
誰に対してもやさしく気をつかえる彼女は、不思議だけどいい人と思われているようだ。
どんなことでも全力で取り組む小寺さんに、それを見ている周囲の人々も影響されていく。
同じ高校に通う倉田さんは、めったに学校に来ないちょっと不良な女の子。
キャンプ先で小寺さんに出会ったことがきっかけで、再び学校に出てくるようになり、卒業後はネイリストを目指すことを決める。
自分にも誰かを喜ばせることができると気付かせてくれたのは小寺さんだった。
そして彼女から笑顔を引き出したのは倉田さんだけである。
クライミング部は人数も少なく、登場する女子部員は小寺さんが唯一。
先輩は普段から厳しく接しており、特別扱いはしていないが、先輩なりの気遣いである描写がある。
不器用だがやさしい先輩や、仲間たちに囲まれている。
2巻からは、大会編がスタート。
小寺さんの活躍が楽しみだ。
参考動画
ボルダリングを含むスポーツクライミングは、ここ数年伸びてきている種目。
専用の設備のある施設を目にすることも増えてきた。
2020年の東京オリンピックの正式種目に決まったことで、これから発展することが期待される。
「ボルダリング」「リード」「スピード」の3種目で行われる。
彼女はオリンピックに出場してくるであろう有望な選手。ただしアメリカ代表として。
ちなみにボルダリングの世界ランキング上位には日本人も名を連ねている。
あとがき
作者はこれが初連載らしく、1話は投稿作か読み切り用みたいな印象。
序盤はまだ小寺さんをながめるフェチ漫画のような作風だった。
なので、最初の1〜3話あたりを試し読みして判断するのはもったいないと思う。
4話目からが本番かな。