「BURN THE WITCH」は久保帯人による漫画作品。
2018年7月14日発売の週刊少年ジャンプ 2018年33号で読み切り掲載された。
創刊50周年記念の企画の一つとして、「BLEACH」以来2年振りの新作である。
魔女、ドラゴン、リバースロンドン――
「BLEACH」の久保帯人が切り拓く、新たなる地平!!
裏ロンドンの魔女
新橋のえる(ニーハ)はロンドンにあるサウス・ブラクストン高に通う高校生。
彼女に好意を寄せている先輩バルゴの待伏せをかわすのが日課になっている。
先輩の口癖は「パンツ見せて」だが、格闘技の心得のある彼女を前に実現する気配はない。
相棒のニニー・スパンコールは、テレビのCMにも出演するちょっとした有名人。
口は悪いが明快な性格で人気はあるようだ。
二人はロンドンの裏側にある自然ドラゴン保護管理機関「ウイング・バインド」に所属する「魔女」である。
この世界では表側で制御できない異形の生物をドラゴンと呼んでおり、その管理は裏側の住人に委ねられている。
ドラゴンは必ずしも凶暴なわけではなく共存の道が模索されていて、直接の接触が必要な業務では彼女たち「笛吹き隊(パイパーズ)」への依頼がくるようだ。
何でも屋みたいなイメージかな。
ニニーのセリフからは過酷な環境へも派遣されることが伺われるが、概ね平和的な仕事であるらしい。
今回は、彼女たちに凶暴化したドラゴンの退治依頼がくるエピソード。
のえるが即答で断るように、本来の業務の範囲ではない。
彼女は今の仕事が気に入っていて、危険を伴う厄介な仕事には興味がないらしい。
一方、ニニーはもともと戦術隊(サーベルズ)志望で、ドラゴンの脅威からロンドンを守る活躍をしたいと考えている。
どこまでも正反対な二人である。
それでいてコンビ仲は悪くもなさそうだ。
のえるはニニーをちゃん付けで呼ぶし、ニニーはのえるのニーハの呼び名をかわいいと思っている。
ダークドラゴンとの対決
そんな二人がドラゴン退治に選ばれたのは、人手不足に加え、地理的な理由があった。
見慣れた街並みに、なぜかパンツを見たがるドラゴン。
完全にではなくとも、心当たりがあるはずだ。
普段はクールなのえるが珍しく取り乱すとこのギャップがいい。
ニニーがそれを見てニヤニヤしたくなるのもわかる。
毎回返り討ちにしていた先輩のことも憎からず思っていたのかな。
ドラゴンは人の負の感情を吸収し、やがてはダークドラゴンへと変貌する。
その過程で人語を操る個体もいる模様。
それはコミュニケーションも可能だということでもあるが、人とドラゴンは分かり合えないのだろうか。
情が移っていると思われる場面もあったが、個別のケースにとどまるのかもしれない。
ダークドラゴンは飽くまで倒すべき対象としてとらえられている。
のえるの容赦の無さも潔い。
本職ではない割には高い戦闘能力を持つ彼女たちが、これから活躍の場を広げていくのだろうか。
最終ページの演出も話題になった本作だが、今のところ連載化の予定はなさそうだ。
年末に発売されるイラスト集に収録されることが発表されている。
最後の意味深な言葉、「この世界は終わらない」に期待したいところなんだけどね。
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2020年3月21日、YouTubeのジャンプチャンネルにて『BLEACH20周年プロジェクト&久保帯人新作発表会』が行われ、本作のシリーズ連載化&劇場アニメ化が発表された。
公式サイトも始動。
連載が夏頃、アニメが秋頃を予定しているとのこと。
監督:川野達朗、制作:teamヤマヒツヂ(スタジオコロリド)、キャスト:山田唯菜(新橋のえる)、田野アサミ(ニニー・スパンコール)他
期間は不明だが、読切版も無料公開されている。
これが新連載の前日譚に当たるらしいので読み返しながら楽しみにしておきたい。
久保帯人最新作『BURN THE WITCH』が、週刊少年ジャンプ38号(8月24日発売)より連載開始することが、本日発売の36・37合併号次号予告で解禁されました!
— 久保帯人&スタッフ (@tite_official) August 10, 2020
4話構成のシリーズ連載でお届けします。既に劇場上映が決定しているアニメ続報も…⁉︎
あと2週間、お待ちください!〈担当〉 pic.twitter.com/vro03N6dYq
2020年8月24日からの連載開始が発表された。
1巻は2020年10月2日発売、同日にはアニメ版の公開も予定されている。