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「パラダイス!」(紀伊カンナ)キキを変えた出会い【魔法が使えなくても】

「パラダイス!」(紀伊カンナ)より、チェキにサインをしてもらうキキ

「パラダイス!」は紀伊カンナによる漫画作品。

FEEL YOUNG 2017年7月号に掲載されていた。

同誌で不定期連載されていたシリーズ物の第3弾である。

中学生時代のキキが、アイドルを目指すきっかけになった出会い。

修学旅行中、親友のまゆと一緒に班の自由行動を抜け出して… 

2016年7月号(6月8日発売)「誰だってスカイラーク」34頁
2017年1月号(12月8日発売)「魔法が使えなくても」44頁+センターカラー+表紙
2017年7月号(6月8日発売)「パラダイス!」30頁+センターカラー
2017年12月号(11月8日発売)「杉並区にて」32頁
2018年3月号(2月8日発売)「SWEET SIDE」前編24頁+センターカラー
2018年5月号(4月8日発売)「SWEET SIDE」中編20頁+表紙
2018年6月号(5月8日発売)「SWEET SIDE」後編18頁

(「鳥と海賊(紀伊カンナ公式ブログ)」より)

2018年7月、単行本「魔法が使えなくても (FEEL COMICS)」として纏められた。 

 

その他のキキ登場エピソードはこちら。 

キキの修学旅行

知ってるよ、海を泳いでいかなくても行けるって。

楽しすぎる私たちの陸地!

(「パラダイス!」連載時扉絵より)

中学生のキキは、まだ将来の事を考える気になれないでいた。

親友のまゆには同じ高校へ誘われているが、二人の成績には大きな開きがある。

「パラダイス!」(紀伊カンナ)より、北海道の夕焼けとキキとまゆ
(「パラダイス!」より) 

田舎も嫌いではないけれど、都会への漠然とした憧れもある。

そんな彼女たちの楽しみは、目前に迫った修学旅行。

目的地の東京で、班行動を抜け出す計画を立てていた。

とあるアイドルとの出会い

まゆがちょうど行われるアイドルのリリースイベントに行きたがっていて、キキも場所が原宿であることを理由に行動を共にするのだった。

「パラダイス!」(紀伊カンナ)より、列のつかないアイドルを見つけるキキ
(「パラダイス!」より) 

キキには会場での様子はよく分からないことばかりだったが、その中で列ができずに居心地の悪そうな一人のアイドルに目が留まる。

彼女の名は鶴子、キキにとっては人生を変えることになる相手。

一見して特に不人気そうな理由は見当たらない。

加入して日がまだ浅いのだろうか。

名前にコンプレックスを持っているようなのと、引っ込み思案なところもありそうな印象ではある。

「パラダイス!」(紀伊カンナ)より、キキと鶴子の出会い
(「パラダイス!」より) 

キキに話しかけられた際に驚いているあたり、対応に慣れていないのかもしれない。

だが、一度ステージに立った彼女はしっかりアイドルしていた。

それまで興味のなかったキキが引き込まれていく。

「パラダイス!」(紀伊カンナ)より、アイドルのライブに魅せられるキキ
(「パラダイス!」より) 

後に上京して地下アイドルになったキキが、どれほど感銘を受けていたのかは最終話(SWEET SIDE)で判明するのだけど。

成長したキキを前にした鶴子とのエピソードも読んでみたかった。

ちなみに、本シリーズの登場人物の中で、キキが唯一自分の夢を叶えている。

まゆに将来について語ったときの「アイドルって仕事じゃん」の言葉。

これは後日メイド喫茶で岸たちへのセリフ「アイドルだってお仕事さ〜」につながるのだけど、キキにとっては真剣さの表れだったのだろう。

「パラダイス!」(紀伊カンナ)より、アイドルを目指すことを口にするキキ
(「パラダイス!」より) 

彼女は最初から職業の一つとしてのアイドルを目指そうとしていた。

夢やあこがれと言うよりはもっと現実的なとらえ方。

この頃から一貫してたんだね。

あとがき

もともとこのシリーズは「SWEET SIDE」のキキをきっかけに読んできたので、今回のエピソードを楽しみにしていた。

各話の中でも一番分かりやすく夢を追いかけるタイプの話なのに、本人は一番現実を見据えているところも面白い。

キキのジャケットの背中の文字だが、たまきのバンドとは関係がないようだ。作者の猫好きが理由だと思われる。

 

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