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「赫のグリモア」(A-10)描いた絵を具現化できる少女と魔導書をめぐるダークファンタジー

「赫のグリモア」(A-10)より、1話扉絵

「赫のグリモア」はA-10(エーテン)による漫画作品。

別冊少年マガジンで2018年9月より連載を開始した。

亡くなった曾祖母から受け継いだのは、屋敷と絵画と…あかずきん? 

少女、魔法、鮮血、死闘――これは残酷なる運命の物語。少女たちの想いがぶつかり命の火花が散る―新本格ダークファンタジー。

(「赫のグリモア(1) (週刊少年マガジンコミックス)」より)

隠し部屋での出会い

ペン画の大家だったという曾祖母が亡くなった。

遺された作品群「茜コレクション」を相続した大麦若葉は、久し振りにその屋敷を訪れた。

子供の頃に絵を教わりに通っていた彼女は、夏休みを利用してデッサン修行に来たのである。

終点の駅からバスで1時間という交通の不便さに加え、一人で住むのに広すぎる家は、時間を忘れて没頭するには向いているのかも知れなかった。 

「赫のグリモア」(A-10)より、隠し扉の鍵は魔筆
(「赫のグリモア」1話より) 

相続するにあたって気になるのは、条件とされる奇妙なペンを肌身離さず持ち歩くこと。

書斎の隅の隠し扉を見つけた彼女は、その奥に眠る謎の少女と出会うことになる。  

第1話は、このあかずきんと名乗る少女の正体と相続のための試練のエピソード。 

あらかじめ事情を知らされていない若葉と、部屋から出て自由を手に入れたい少女との契約をめぐる駆け引きである。

「赫のグリモア」(A-10)より、自由になりたいなら守るしかないんでしょ
(「赫のグリモア」1話より) 

曾祖母のことは認めているようだが、見ず知らずの相手におとなしく従うほど甘くはない。

対する若葉も、泣き虫だが芯の強いところは曾祖母譲りだろうか。

この二人が共に命をかけた戦いに身を投じていくのだと思われるが、現時点では世界は平和なように見える。

「赫のグリモア」(A-10)より、戦うあかずきん
(「赫のグリモア」1話より) 

あかずきんの武器は若葉が描いたハサミがモチーフの剣。

魔導書の化身のわりに物理攻撃が得意らしい。

戦いになると生き生きしてくるのがいいね。

彼女たちを取り巻く世界がどうなっているのかは次回以降のお楽しみ。

別冊少年マガジン 2018年10月号 ではサンプルで1話まるごと試し読みできるようになっている。(巻頭カラー)

 

単行本1巻の発売日が2月8日に決定した。

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