「僕と君の大切な話」は、ろびこによる漫画作品。
月刊デザートで2015年より連載を開始した。
クールなメガネ男子の東くんと、彼に恋する相沢さんとのトーキングラブコメディ。
7巻はついに完結、二人の恋の行方は…?
同じ学年の東くんに片想いしてきた相沢のぞみ。告白に超斜め上の返事をされてからも、めげずに駅のホーム、中庭、部室、喫茶店、図書室と、沢山の会話を続けて次第に東くんと仲良くなり、ついについに東くんから告白される。だけど、なぜだか付き合うのは待ってほしいと言われてしまって? 笑いもニヤニヤも”恋も”止まらない! すれ違う男女の新感覚”トーキング”ラブコメディー、完結の第7巻!
(「僕と君の大切な話(7) (デザートコミックス)」より)
前回はこちら。
東くんの告白
相沢さんとの初デートでついに好きな気持ちを伝えた東くん。
彼女に否やはあるはずもないが、そのまま交際開始とはいかないようで…
書きかけていた小説を完成させたら改めて告白をするつもりでいるらしい。
彼なりのけじめとでも言うか、書き上げた達成感と勢いを味方に付けたいのだろうね。
はまりんの相談を受けた際も男子の告白における繊細さを説明していたけれど、当の東くんも例に漏れずそのタイプのようだ。
一方的におあずけをくらった形の相沢さんだが、本人はうれしそうなのでこれはこれでいいのかも。
確約された準備期間を与えられたようなものであるし、脳内彼女気取りを楽しんでいるような節さえある。
東くんが小説を書いていることを知っているのは、幼なじみの圭介と偶然拾ったはまりんくらいだろうか。
なので受け取った相沢さんがラブレターだと思ったとしても仕方ない、のかな?
大作にも程があるのだけれど、それでも実質的にはラブレターで間違いないと言ってもいいだろう。
相沢さんと出会ったことで書けた恋の物語は、これまで東くんの変化を目の当たりにしてきた彼女にとっては思うところがあったようだ。
告白は駅のホームで、以前とは逆の構図になっているのもよかった。
あの東くんがこんな表情をするようになるなんてね。
このまま付き合うようになったとして、その後の二人の変化も見守っていたかったけれど。
相沢家を訪問した東くんと家族のエピソードとか気になるな。
「でも僕は君の弟になんだか嫌われてるからなあ」とどこかのんびりした言い方だったけど、相沢さんが間に入ることで誤解が深まっていったりして。
彼女が弟はシスコンだと思い込んでいるところ好き。
東くんの叔母たちと圭介
また、これまで回想などで言及されてきた東くんの叔母たちが本編で登場した。
それぞれ人物紹介でサディストと表記される癖のありそうなキャラだけど、長い付き合いの圭介は扱いを心得ているようだ。
飲み物を用意するのも手慣れたもので、理不尽な要求にも即座に対応するところはさすが。
東くんと彼女たちの関係を見ていて彼なりに悟った結果なのだろう。
叔母たちが年中入り浸っていることを知っている圭介もまた入り浸っているわけで、ほとんど家族のような付き合いだ。
まるで我が家のように振る舞っているのはお互い様である。
東くんにトラウマを植え付けたとは言っても、それなりにかわいがられている様子も伺える。
以前、鈴先輩が「私はれんげちゃんたちと違っておまえに大して興味ねーよ」と発言していたけれど、お気に入りのおもちゃとしては重宝されているらしい。
春から一人暮らしをすることになった鈴先輩と圭介の二人も未来を感じさせる終わり方。
いつか番外短編とかでその後を読みたいな。
インタビューでは連載に至った経緯や裏設定にも言及されている。
相沢さんのストーカー女子らしからぬ品の良さの秘密など知れるかもしれない。
単行本は扉絵などのカラーイラスト集付きの特装版も発売された。