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「MAO」49話(高橋留美子)摩緒と不知火の因縁

「MAO」(高橋留美子)49話より、摩緒の顔に見覚えのあった不知火

「MAO」は高橋留美子による漫画作品。

週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。

49話は、不知火が摩緒に持っている恨みのもとが明かされる。

 

前回はこちら。

これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――

中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はある門を通り大正時代に漂流。同じ「猫鬼の呪い」の陰陽師の摩緒(まお)と出会う。彼は寿命を操る秘法を継ぐために必要な生贄。故に5人の兄弟子に命を狙われている。摩緒が金の気を放つ刺客に誘拐された。その首謀者は水の陰陽師・不知火だった。摩緒に恨みのある彼、その理由は…

(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)49話 ―白骨洞―」より)

幼き日の摩緒と不知火

金の気を持つ式神によって連れ去られた摩緒。

破軍星の太刀と共に後を追う菜花たち一行は、彼の危機に駆けつけられるのか?

「MAO」(高橋留美子)49話より、摩緒の行方を追う百火たち
(「MAO」49話より) 

事態の重さを余所に、どこかゆるい空気を感じさせる彼らも、いざとなったら頼もしい味方であるはずだ。

相手の目的は摩緒の持つ例の情報なので、すぐにどうこうなるわけではないだろう。 

陰陽道の奥義と呼ばれる「泰山府君の秘法」を手に入れれば御降家の名乗りにも実が伴うだろうし、真の後継者が受け継ぐべきとの考え方も尤もである。

それが不知火の事なのかは疑問の余地があるけれど。

彼の敬慕していた真砂が姿を現さない謎に加え、紗那らしき人物も登場したことにより、このへんは入り組んだ事情があることをうかがわせる。

「MAO」(高橋留美子)49話より、幼い日の不知火と摩緒
(「MAO」49話より) 

そして、摩緒と不知火の間にはさらなる因縁があったようだ。

事件よりもずっと以前の、二人がまだ幼かった日にそれは始まっていた。

当時の御降家では幼少より養われている子供たちが居て、修行を続けられる力があるか厳しい選別が行われていたという。 

天然の迷路の洞窟「白骨洞」に入り、生き抜けるかどうか。

次々と脱落者が出る中、不知火は外部の者である一人の童子の後を付いていくことで助かっている。

普通に考えれば摩緒は彼にとって命の恩人なのだが、その後の師匠の冷たい仕打ちのきっかけとして恨んでいるみたいなのだ。

以前の華紋との一件でも同様に、間接的に助けてくれた兄弟子よりも真砂の前で恥をかかされたと感じているようだった。

「MAO」(高橋留美子)49話より、師匠を憎んでいた不知火
(「MAO」49話より) 

そんな気質の不知火にとって、これは復讐なのかもしれない。

見限られて惨めな日々を送った彼が、師匠や後継者からその地位を奪うこと。

 

気になるのは摩緒の出自の問題だね。

御降家に弟子入りするよりもっと前から才能の片鱗を見せていたことになるのだけど。

彼を入門させたのは本当は何のためだったのか?

 

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