「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
55話は、御降家に対する白眉と摩緒の認識のずれ。
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はある門を通り大正時代に漂着。同じ「猫鬼の呪い」の陰陽師の摩緒(まお)と出会う。彼は寿命を操る秘法を継ぐのに必要な生贄。故に5人の兄弟子に命を狙われている。一行は兄弟子・白眉に再会。御降家への愛が強い彼が、不知火率いる「偽の御降家」側にいる――白眉の思惑とは一体!?
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)55話 ―御降家の女―」より)
御降家に関する見解の相違
不知火のいる御降家を偽物とする摩緒の言葉を、まるで否定するかのような態度を見せる白眉。
彼はかつて呪詛の仕事を実際に行っていた人物である。
御降家が御降家であるために欠かせない要素とは何なのか、両者の間で食い違っているようだ。
一度は途絶えたはずの御降家の噂を耳にした時、白眉も不審に思い京へ向かったことがあるという。
その結果が今の立場を取らせている。
積極的にではなくとも彼らが御降家を名乗ることを認めたのだろう。
その一番の理由は幽羅子の存在にあると思われる。
黒い禍々しい邪気を持つという彼女は、菜花が感じた人のものではない何かなのだろうか。
御降家の呪詛の仕事に必要な存在であり、紗那はその依代だったのではないか。
現在でも器としての姿を保っているのは謎だけれど、弟子たちの現状を見れば方法はなくもなさそうだ。
このへんがややこしくて、不知火たちが幽羅子と呼んでいるものを摩緒は紗那だと思っている所にすれ違いが生じているわけである。
実際に紗那だった部分がどれくらい残っているのかは分からない。
分離させようとすれば人としての寿命は尽きるのだろうね
この点においては摩緒も同様だろうから、運命を共にするという選択肢もいずれは出てくるのではなかろうか。
しかし、白眉の戦闘能力は高いね。
戦場を好んで過ごしてきたこともあるかも知れないが、獣化した摩緒を相手にまともに戦えているとは。
昔の百火に受けた傷がハンデになるどころか、より強くなったんじゃないかという気がする。
猫鬼と同化した摩緒は陰陽師の敵でもあるとの言葉が表すものは何か。