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「とんがり帽子のアトリエ」44話(白浜鴎)できないをできるにするために。

「とんがり帽子のアトリエ」(白浜鴎)44話より、寝落ちしたココに布を掛けてやるアガット

「とんがり帽子のアトリエ」は白浜鴎による漫画作品。

月刊モーニング・ツーで2016年7月より連載を開始した。

44話は、タータとの魔法のアイデアに夢中なココ。気になるアガットは描きかけの魔法陣を目にするが…

 

前回はこちら。

第2の試験に合格し平穏に戻ったアトリエに、カルンで出会った少年・タータが、魔法使いの祭り「銀夜祭」への出店を手伝って欲しいとやってくる。タータと行動を共にすることになったココは、クスタスに再会し、水難事故で足に怪我を負い人の助けがなければ自由に動けない彼の現実を知る。2人の気持ちに触れたココは、魔法の力でクスタスの味方に変えようと提案するのだが……?

(「前回までのあらすじ:とんがり帽子のアトリエ」より)

Twitterで最新の登場人物一覧が公開された。

二人の考えたアイデアとは?

足を怪我して歩けないクスタスの手助けをしたいと考えたココとタータは、街の作りが全ての人に優しいわけではないことに思い至る。

今まで気付かなかっただけで、彼のように不便を感じている人たちもいるはずだと。

自分たちに何が出来るのか、よく考えてみるいい機会になったようだ。

「とんがり帽子のアトリエ」(白浜鴎)44話より、慌ただしいココとタータ
(「とんがり帽子のアトリエ」44話より) 

学んでいる魔法を応用したアイデアを、時間を惜しんで話し合っている。

こういうやり取りが将来的には魔法器制作につながってくるのかな。

タータは向いてそうだしね。

この世界では足の不自由な人の補助に歩く椅子が用いられていて、段差を乗り越えたり階段を昇り降りできたりするようだ。

ベルダルートが乗っていたものの普及版のようなイメージ。

弱点は安定性とグリップ力かな?

二人も最初はそのへんの改良を試みていたようだし、やがて道の方を何とかしようと考えるようになっていた。

動く歩道やエスカレーターのようなアイデアも面白かったけど、それだと莫大な予算が必要でそもそも個人の手に負えないのである。

どちらにしても既存のシステムにとらわれすぎているように思える。

せっかく魔法を使うのに。

「とんがり帽子のアトリエ」(白浜鴎)44話より、クスタスと協力して開発
(「とんがり帽子のアトリエ」44話より) 

試行錯誤の末に彼らがどんなものを見せてくれるのか楽しみだ。

中でもクスタス本人を巻き込んだのはいいアイデアだったのではなかろうか。

生きる術を失って絶望していた彼に、よりよい未来を作るために協力する喜びを与えることができた。

この時点で当初の目的は達成されているとも言えるかもしれない。 

後は銀夜祭でお披露目できるようになるのかどうか。

患者や道の状態に関係なく移動できるものと言えば、飛び靴などに使われている浮遊魔法なのだけど、それが許されるならすでに魔法器として商品化されているはず。

制御は難しそうだし、制度を整える必要もある。

前回キーフリーの言っていた言葉がここで効いてくるのかも。

結果はどうあれいい経験にはなるだろう。

「とんがり帽子のアトリエ」(白浜鴎)44話より、ココたちを見つめる謎の少女
(「とんがり帽子のアトリエ」44話より) 

そして、そんな彼らを見つめる人影が。

被っているのはつばあり帽ではなさそうだけど、不気味な登場の仕方。

魔法使いをおともだちさんと呼ぶところから街の魔法使いではないような…

何となくだけど。

 

単行本8巻は2020年12月23日、限定版も同時発売。

完全描き下ろしカレンダー付き とんがり帽子のアトリエ(8)限定版 (プレミアムKC)

 

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