「ココロのプログラム」は中村ひなたによる漫画作品。
同人誌としての描き下ろしで、初版は2017年2月。
2018年春より電子書籍での販売を開始した。
少年・九のもとに訪れた人間そっくりなロボットの女の子・いちこ。九と暮らしていく中で、少しずつ人の心を学んでいくいちこは、やがて恋とは何かがわかるようになって─…。人とロボットの日常と心の揺らぎの物語。
(あらすじ:「ココロのプログラム 特設サイト」より)
ジャンプ+にて新連載『ココロのプログラム』が始まりました🌱
— 中村ひなた (@hinata_lipcream) November 5, 2021
第1話はこちらから読めます。よろしくお願いいたします!https://t.co/lHf3rSADyn pic.twitter.com/r6bJlnvtfG
2021年秋より、なんとジャンプラで連載することに!
ロボットの女の子
小学生の宇佐美九の家に、人間そっくりなロボット・いちこがやってきた。
彼女は心が未完成なため、一般の家庭で学んでいく必要があるのだという。
仕事が忙しい時でも九が寂しくないように、母親がホストファミリーに申込んだらしい。
いくらロボットと分かってはいても、慣れないうちは緊張する。
少し年上の女の子が、急に家で一緒に暮らすことになるのだから無理もない。
多感な年頃の男の子としては正常な反応である。
それだけ見た目に違和感がないということでもあり、心が伴えば見分けがつかなくなるのかもしれない。
そして、その頃には別れがやってくるのだろう。
心はままならない
本作は、そんな彼らがいくつかの季節を共に過ごす連作短編集となっている。
中学校に上がる頃、姉のようだった女の子は同級生になり、一緒に通うようになった。
ロボットは共に年を取ることができない。
九が成長していくに連れ、その関係性は変わり複雑化していくだろう。
姉であり、幼馴染であり、同級生であり、妹であり、そして…
年を取る代わりに、あちこち調子の悪いところは出てくる。
病院に通うように、メンテナンスで治るうちはいいけれど。
学校へ行きだしてから彼女の世界も広がり、友達もできて、やがては気になる人もできる。
自分が一番近くで見ていたはずなのに、少しずつ知らない部分が出来てきて、いつしか距離を感じてしまう。
ずっと一緒ではいられない。
この後の、彼女への気持ちを自覚した九の表情がたまらないのだ。
いちこの滞在期間が長いのは、ロボットに心を学習させることだけが目的ではないのではと思われる。
彼女が自身で未来を選ぶ可能性はあるのだろうか。
ジャンプ+で連載開始!
『やさしいヒカリ』の完結から2年余り、そろそろ新作が読みたいと期待していたところなのだが、まさかのジャンプラで本作の商業連載化が決まるという予想外の展開である。
途中、ジャンプGIGA 2021 WINTERで読み切り『花は死にたがる』が発表されたけれどそちらもよかった。
同人版とはざっくりしたあらすじは共通するものの、基本的に別物としてその違いを楽しむくらいがいいのかも。
九には仲のいい幼馴染みの女の子がいて、いちこもお姉さんぽさが増している。
この要素ですでに先が楽しみだ。