「さよなら私のクラマー」は新川直司による漫画作品。
月刊少年マガジンで2016年5月より連載を開始した。
前回はこちら。
恩田を生かせ
興蓮館のエース・来栖の活躍で再び引き離されるワラビーズ。
後半も半ばを過ぎた時間帯に、なかなかきつい状況になってしまった。
相手の強さと曽志崎の不在を考えれば絶望的と言ってもいい。
ここから何ができるのか、選択肢は多くないのであるが…
それでも選手たちの目はまだ死んではいない。
しかもこの試合、勝つ気でいる。
今大会での大きな収穫は彼女たちの精神的な成長だろうね。
負けることがちらつかないわけではないが、そんなことは試合が終わってから考えればいいのである。
来栖に連取されたとは言え、守備はきちんと機能している。
あとは相手より点を取るために攻撃の機会を増やしたいのだ。
宮坂の分析によれば、ボールの出所である相手の21番(藤江梅芽)に対するプレッシャーが甘く、結果として恩田を生かせていないという。
ここのところは曽志崎がいないためにできたスペースでもあるので、この試合の弱点とも言うべきところ。
そのために彼女たちが選んだのは、藤江妹へのマッチアップで恩田をぶつけ、それをカバーするために守備ブロック全体を押し上げることだった。
どこかで見たね。
一か八か、ここを抜かれたら終わりなのだけれど、このまま大人しく負けるよりは掛けてみる価値はある。
もう次を考える必要はないのだし、もともとテストマッチなわけだし。
あと恩田もそうなんだけど、ここまで大人しい選手がいるよね。
ここできたかと。
ここぞという所で決めてくれる彼女は、本当に嗅覚がいいんだと思う。
単行本11巻は2020年2月17日に発売。