「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
65話は、海中にある不知火の社へと向かった摩緒たちだったが…
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はある門を通り大正時代に漂着。同じ「猫鬼の呪い」の陰陽師・摩緒(まお)と出会う。彼は寿命を操る秘法を継ぐ為に必要な生贄で、5人の兄弟子に命を狙われている。不知火の社から湧く髪は水の実力者・真砂のものだと分かった一行。土の姉弟子・夏野と協力し、社の突撃に成功するも…
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)65話 ―五色堂の輪―」より)
事件の夜、真砂に何があったのか
夏野の作る土人形に乗り込み、海底にある不知火の社へと突入を開始した摩緒たち。
そこで待ち受けていたものは、黒い禍々しい邪気だった。
猫鬼が話していた、紗那を依代とする呪いの姿によく似ている。
かつて白眉が訪れた際には、その邪気を放つものは人の姿をしていて、彼はそれを「御降家の女」「幽羅子さま」と呼んでいた。
華紋だけでなく摩緒をも襲うところを見ると、幽羅子の力によるもの或いは幽羅子の正体とは別に存在しているということだろうか。
これについても不知火に問いただした方が早いかもしれない。
御降家が滅亡したあの日、そして真砂が姿を消した日に何があったのか。
不知火の口から語られた事の顛末は意外なものだった。
五色堂への呼び出しに関して、入れ替わりの可能性があることは状況から十分に考えられる。
離反の疑われる真砂が後継者候補から外されたとしても、その代わりが不知火では役者不足に過ぎるのだ。
ではなぜ不知火が生き残ることになったのか、それは最もシンプルな理由だった。
五色堂に呼ばれ後継者争いに参加した者たちには強制力が働いている。
摩緒を呪い、最後に生き残ったものが後継者の条件。
それを辞退することは死を意味していた。
あの時、師匠は「できぬというなら、ここで死ね」と言い放った。
真砂はもしかしたら脅しと捉えたのかもしれないが、耳にした時点で呪いにかかっていたのだろう。
現在のメンバーを見れば、長い時間が経過しても実行する意思さえ残っていればセーフのようだ。
その前に肉体的な限界が来る懸念はあるのだけれど。
しかし引き継ぎまで行われるとは予想外だった。
この話が事実なら不知火は知らずに巻き込まれてしまったことになるか。
となれば、真砂が捕らわれているのは呪いのせいかも知れず、不知火が解放しようとしている可能性すら浮上してくるが…
もしそうだとしても仲良く協力してなんてことにはならなそうだ。
次回はセンターカラーで両者激突か、といったところ。