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「MAO」63話(高橋留美子)閉ざされた海の底に潜むもの

「MAO」(高橋留美子)63話扉絵

「MAO」は高橋留美子による漫画作品。

週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。

63話、不知火の拠点から回収した髪の持ち主とは。

今週号はアニメ「半妖の夜叉姫」放送を記念してセンターカラーで登場。

 

前回はこちら。

これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――

中学三年の黄葉菜花(きば なのか)はある門を通り大正時代に漂着。同じ「猫鬼の呪い」の陰陽師・摩緒(まお)と出会う。彼は寿命を操る秘法を継ぐのに必要な生贄で、5人の兄弟子に命を狙われている。彼が信頼する土の兄弟子・大五は平安時代に呪殺された… 代わりに生き残る土の姉弟子・夏野と邂逅するも新たな問題発生…

(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)63話 ―魂おろし―」より)

TVアニメ『半妖の夜叉姫』:公式PV

海の底の髪に宿るもの

御降家の動向を探っていた華紋から連絡が入った。 

帝都へ進出し摩緒の前に現れた不知火は、その後の行方が分からなくなっている。

水のある環境が必要な彼は、拠点を作れる場所も限られているらしい。

京で活動していた頃は海上の社に結界を張っていたが、今度はどうやら海の底にいるようだ。

以前の華紋の訪問から警戒しているのか、何か干渉されたくない事情があるのか。

「MAO」(高橋留美子)63話より、魂おろしを試みる摩緒と華紋
(「MAO」63話より) 

さすがに水中ではうかつに手を出すわけにいかないものの、場所を特定できただけでも朗報だろう。

現地で漁師たちを遠ざける要因になっている、海中を漂う不思議な髪を回収してきた華紋は、摩緒と協力して魂おろしをすることを考えていた。

これで不知火たちの企みの一端が明らかになれば大きな収穫となる。

もちろん摩緒にとっても助かることのなのだけど、この件に関しての華紋はやけに積極的なのだ。

生き残った水の術者が真砂ではないと判明してからは特にそうだろうか。

それを意外に感じるということは、御降家で起こった2つの事件の死亡者の中に、彼女は含まれていなかったということ。

「MAO」(高橋留美子)63話より、魂おろしで現れた姿はあの人
(「MAO」63話より) 

では一体、彼女はどこへ行ったのか?

当時、彼女によく面倒を見てもらっていたはずの不知火が何か知っているとみて問い詰めたいところだろう。

今回魂おろしをしてみて、さらにその思いは強まったかも知れない。

真砂ほどの実力者が、なぜ不知火に捕らわれているのだろうか。

彼女が御降家から逃げ出したいと考えていたことは摩緒や華紋も知るところである。

もしかしたらそのことを利用された結果なのかも。

五色堂ではお互い顔が見えないことを逆手に取って、入れ替わりを画策した可能性も考えられる。

「MAO」(高橋留美子)63話より、現れた真砂は幽霊?
(「MAO」63話より) 

以前の華紋の回想シーンから、不知火が恩を仇で返すタイプの人間だったことが窺われるが、真砂に対してもそうだったのだとするとさすがにショックだな。

あるいは彼女が受けるはずだった呪いを掛けられた復讐だったりとか。

現在の彼女がどういう状態なのか、生霊ではないならまさかの幽霊なのか?

それよりも幽羅子とは別に存在しているということは、依代はどうなっているのか。

まだまだ先が読めない展開が続く。

 

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