「あやかしトライアングル」は矢吹健太朗による漫画作品。
2020年6月より週刊少年ジャンプで連載を開始した。
32話は、歌川画楽と過去の妖巫女との記憶。
『ToLOVEる』矢吹健太朗最新作!
不思議な妖怪「妖(あやかし)」がいる日本。妖と戦う忍者「祓忍」の風巻祭里は、幼なじみで妖が好きな少女・花奏すずを守るべく日々妖と戦う。だがそこに猫の妖シロガネが現れて...? 妖の禁術で女の子になってしまった祭里。幼馴染のすずを妖から守れ!
(あらすじ:「あやかしトライアングル」(矢吹健太朗)より)
前回はこちら。
前世の記憶
画楽の絵に描かれていた風景は、かつての姿とはだいぶ様変わりしていたが、彼の知る妖巫女のお気に入りの場所だったらしい。
それも代々のというから、土地との結びつきが強いのだろう。
そんな場所に塵塚怪王を封印したのは偶然だったのかどうか。
現世を渡る存在である彼女は、また再びこの地に生まれ変わる事を知っていた。
そしておそらく長くを生きられないことも。
妖巫女として特別な力を持つことで人々におそれられ、迫害もされてきただろう。
受け継いだ記憶でうまく馴染めるように試みたはずだが、それでも人の世で暮らすのは難しかったようだ。
彼らを見限っても不思議のない境遇で、人と妖が共存できる日を願い続けていたのだとしたら…
すずは彼女たちの長い間の夢を叶える最初の存在になるかも知れない。
祭里という同じ世界を視ることができる理解者を得て、ありのままで生きられる環境を手に入れた。
それは能力が発現しても変わらないだろう。
先日現れた妖巫女本体の人格と思われる少女の、「祭里がいてくれたから、私は花奏すずになれた」という言葉はその辺のことを指しているのかも。
前世の記憶をすずが意識せずにいるのも、彼女が一時的に忘れさせているからとかだったり?
画楽の目的は、前世の心残りだった先代・比良坂命依(ひらさか めい)の絵を描くことを、新たに覚醒した妖巫女で果たそうと考えているのだろうね。
その後どうしたいのかは分からないけれど、祭里のライバルになるのは考えにくい。
前世から続く意外な因縁に動揺する祭里は、自分が特別な立場であることを自覚していないようだ。
それに幼馴染は「たかが」ではないぞ?