「MAO」は高橋留美子による漫画作品。
週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。
81話、危篤の床にあった夏野に謎の訪問者が…
前回はこちら。
これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――
15歳の黄葉菜花(きば なのか)は大正時代にて同じ「猫鬼の呪い」の摩緒(まお)と出会う。彼は陰陽師の名家・御降家の後継者5人が狙う生贄。未だ続く5人の兄弟子と想い人・紗那との因縁を清算する! 姉弟子・夏野は平安時代、危篤状態だったと発覚。にもかかわらず、後継者争いに招集されたと主張する彼女。真相は?
(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)81話 ―契約―」より)
夏野が華紋の元を訪ねる
夏野が五色堂に呼ばれていないのではないかとの疑問から、後継者問題の謎が深まってきた。
御降家滅亡から900年、死なない体になる呪いは師匠の掛けたものだけではなかったということになる。
実際のところ、摩緒のように猫鬼の血の呪い+蠱毒の摂取によって生き延びている例もあるので、他のパターンが出てくる可能性もあるのかも。
師匠もまさかこんな長きに渡る争いになるとは思ってもいなかっただろうね。
ただの代替わりの試練だったはずが、壮大な話になったものである。
そもそもそんなことが出来ると分かっていたなら、代替わりの必要性もなかったかもしれない。
師匠の思惑も今となっては不明なのだが。
夏野と五色堂の件について、本人に問い質す機会は意外と早くやってきた。
彼女が華紋のもとを訪ねるのは、よほど困ったことができたのだろうか。
不知火の社の時も、あまり会いたくなさそうだった。
もともと仲が悪いと言うよりは、華紋がとある秘密を知っていることが原因のようだ。
真砂の行方を追っていた華紋が夏野を探し当てたとき、彼女は余命幾ばくもない状態だったのである。
そして、兄弟子の訪問を喜んでもいた。
その彼女が現在も生きていて、五色堂のことを知っているのには何者かの関与が考えられる。
それも土の術者で、御降家にいた者かも知れない。
だとすればその目的は何か。
当時の土の実力者として知られていたのは摩緒の兄代わりの大五だが、彼は館内部で起こった事件の際に死亡したことになっている。
この件に裏があったとして、居合わせた面子を欺くのは至難の業だろうけれど、釈然としないのも確かなのだ。
夏野は背後に居る存在についてどこまで知っているのだろうか。
約束を守りたいと考えているあたり、思うところはあるのだろうが…