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「MAO」88話(高橋留美子)幽羅子の呪い

「MAO」(高橋留美子)88話より、幽羅子に憑く妖たち

「MAO」は高橋留美子による漫画作品。

週刊少年サンデーで2019年5月より連載を開始した。

88話、幽羅子と相対した菜花はどうなる?

 

前回はこちら。

これは、同じ「呪い」を背負う摩緒と菜花の “全てを終わらせる” 物語――

15歳の黄葉菜花(きば なのか)は大正時代にて同じ「猫鬼の呪い」の摩緒(まお)と出会う。彼は陰陽師の名家・御降家の後継者5人が狙う生贄。未だ続く5人の兄弟子と想い人・紗那との因縁を清算する! 白眉の仲間・かがりに捕まった菜花は摩緒の想い人・紗那に似る幽羅子と出会う。紗那の顔は自分のものと主張する彼女だが…

(前回までのあらすじ:「「MAO」(高橋留美子)88話 ―幽羅子の世界―」より)

幽羅子の語る生い立ち

案内役の少女かがりが去り、幽羅子と二人きりになった菜花。

彼女は何のために呼び出されたのか。 

これまで摩緒と一緒に行動している所を知られている菜花は、幽羅子に取って気になる存在だろう。

目障りに思われても不思議ではない。

「MAO」(高橋留美子)88話より、幽羅子が暮らしていた洞窟
 (「MAO」88話より)

幸い、幽羅子自身が摩緒に嫌われたくないと考えているらしい点から、直接危害を加える事はないと思われる。

それでも牽制の効果はあるだろうね。

その気になればいつでも排除できる立場にいることを見せつけるには十分だった。

彼女の言う、知っておいて欲しかったというのが本音だとしても、迂闊に心を許すのは危険である。

現に不知火たちの活動に深く関わっていて、非道な行いにも加担してきたはずなのだから。

ただ彼女の生い立ちを知れたことで、御降家の闇の部分がまた一つ明らかになった。 

「MAO」(高橋留美子)88話より、洞窟を抜け出す幽羅子
 (「MAO」88話より)

岩と呪符に囲まれた暗闇の中だけが自分の知る世界だったと幽羅子は語る。

そこはとある洞窟の階段を降りた所で、当主だけが出入りできる秘密の部屋。

仕事柄、屋敷の上空を呪詛が飛び交う御降家において、それらを取り込み呪縛するための器が彼女の役割だったようだ。

呪いが人の姿を取っているのではなく、元々人間だということ。

防衛や戦力の維持に欠かせないため幽閉されていたのだろうが、生まれつき強い力を持っていたとかかな。

表側の呪いの器である紗那との役割の違いは気になる所だ。

これもしかしたら二人は姉妹とかもあり得るのでは?

「MAO」(高橋留美子)88話より、外の世界を彷徨う幽羅子
 (「MAO」88話より)

外の世界へ出られないはずだった幽羅子と摩緒が出会うことで、御降家の運命は動き出す。

滅亡の遠因となっているのかどうか。

 

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