午前3時の太陽

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2018年10月に読んだおすすめ漫画まとめ

2018年10月に読んだおすすめ漫画まとめサムネ

2018年10月に読んだ中で、おすすめの漫画をいくつか紹介する。

今月の注目作はアニメ2期や劇場版も決定した「ゆるキャン△」。

別誌で連載中の「mono」も発売になった。

 

前回はこちら。 

「ソウナンですか?」3巻(岡本健太郎、さがら梨々)

修学旅行中の事故で遭難した少女たちの無人島サバイバル生活。

3巻では、ハチミツ採りやイノシシ狩りの準備など、島での生活にも慣れてきた様子が描かれる。

「ソウナンですか?」(岡本健太郎、さがら梨々)3巻より、その水は肛門から飲む
(「ソウナンですか?」3巻より)

中でもインパクトが強かったのは、「お尻から水を飲む方法」。 

筏での漁の最中に離岸流に流された九条紫音を助けるために沖に向かった鬼島ほまれだったが、飲料水不足に陥ってしまう。

何とか手に入れた水は、飲むと感染症になりそうな汚水のみ。

さてどうするか。 

この日、ほまれは初めて父の教えを破り仲間のために自らの命を危険に晒す行為に出た。

躊躇のないその判断が頼もしいし、いろんな意味で絆も深まったよね。

「いそあそび」2巻(佐藤宏海)

家庭の事情で海辺の田舎町で自給自足の一人暮らしをすることになった元社長令嬢の村上セトと、行き倒れていた彼女を助けた浦島六郎との交流を描く。

2巻では、釣りに挑戦したり、離れの畑を復活させたりする。

彼女のせっかちな性格のため、竿釣りは不発に終わったが、獲物を見ながらできる手釣りでは天性のものを感じさせた。

「いそあそび」(佐藤宏海)2巻より、村上セトの手釣り初挑戦
(「いそあそび」2巻より)

彼女のすごいのはどんな状況でも楽しめるところでもある。

「お嬢様の僕」2巻(田口ホシノ)

執事とメイドの両親を持つ高校生の近衛養太郎が、世間知らずなお嬢様たちのお世話係をすることになるラブコメディ。

2巻では、お嬢様たちが洗濯や買い食いを初体験。

下着だと手洗いとかあるし、その部分だけでも自分でできるようになって欲しいところ。

「お嬢様の僕」(田口ホシノ)2巻より、将来的にはやってもらうんだし
(「お嬢様の僕」2巻より) 

翼はもう少し恥ずかしいという感覚を覚える必要があるが、それに対抗してかまってもらいたがるツンデレみのりがかわいいので問題ない。

「イジらないで、長瀞さん」3巻(ナナシ)

美術部に所属する気弱な男子高校生のセンパイと、彼をイジるのが好きな女の子・長瀞さんによるからかい系ラブコメディ。

夏休みに入る前日、学校から帰るセンパイと長瀞さん。

明日からはしばらくイジられることもなくなるのだろう。

「イジらないで、長瀞さん」(ナナシ)3巻より、夏休み前日の帰り道
(「イジらないで、長瀞さん」3巻より)

そんな二人のこの表情。

本作でこんな真っ当な青春が描かれるとは。

もちろん、このあと平和な夏休みがくるはずはない。

「万代かなめは遊びたい」1巻(氷川翔)

部活が強制の瀬川高校で、最も人数の少ないのは文化研究会である。

学年2位の高良太陽は、放課後を有意義に過ごそうと部員のいなくなったこの部に入部した。

天敵とも言うべき万代かなめにテストで勝つために。

「万代かなめは遊びたい」(氷川翔)1巻より、変身ベルトで遊ぶ万代さん
(「万代かなめは遊びたい」1巻より)

ところが、当の本人と全力で文化研究部の活動をすることになった。

彼女もまた同じ目的で入部してきたのだが、部室にあるおもちゃたちに興味津々で毎回夢中で遊ぶ様子が見られる。

その姿に、彼女が学年トップである理由も垣間見えるのだが、成績よりも尊いものがここにあることに気づきたいところ。

「ゆるキャン△」7巻(あfろ)

オフシーズンに一人でキャンプをすることが好きな志摩リンと、富士山を見るためにキャンプ場にやってきた各務原なでしこ。

二人の出会いからゆるく始まるまったりキャンプ生活の輪。

7巻は、なでしこがついにソロキャンを決行する。

「ゆるキャン△」(あfろ)7巻より、ソロキャンを決意するなでしこ
(「ゆるキャン△」7巻より)

「今週行こうと思うんだ」の言葉で、キャンプが彼女の日常に溶け込んでいるのがわかる。

周囲には反対されるかと思いきや、すんなりと出発の日を迎えていた。

ちょうど予定の空いていたリンは寂しそうだったけれど。

免許を持たないなでしこは電車と歩きでの移動になったが、彼女の場合は問題にはならなそう。

そして、彼女のことを心配する保護者たちの行動は予想通り。

「さよなら私のクラマー」7巻(新川直司)

高校女子サッカーを舞台に、弱小蕨青南高校で奮闘する選手たちを描く群像劇。

7巻は、インターリーグ準決勝の栄泉船橋戦。

守備の堅さに突出したチームで、関東大会では高校日本一の久乃木学園を破った相手である。

前半、蕨青南ペースで試合は進むが、深津監督はそこに不気味さを感じていた。

「さよなら私のクラマー」(新川直司)7巻より、越前vs.国府
(「さよなら私のクラマー」7巻より) 

そしてエース国府妙と初心者の越前佐和の対決という予想外の展開に。 

 

表紙は29話の扉絵でも使われたものなのだけど、連載版では背景が懐かしい感じになっていた。 

「さよなら私のクラマー」(新川直司)7巻「さよならフットボール」(新川直司)1巻

「あそこではたらくムスブさん」1巻(モリタイシ)

新しく営業企画室に異動になった砂上吾郎(さがみ ごろう)には、かねてよりあこがれていた女性社員がいる。

総合開発部の結(ムスブ)さん。

今度の部署では、直接関わることができる立場になった。 

「あそこではたらくムスブさん」(モリタイシ)1巻より、一緒に、行きますか?
(「あそこではたらくムスブさん」1巻より)

その内容は、コンドームの研究開発である。

仕事熱心な彼女の言動に翻弄される吾郎、その運命は?

相模ゴム工業株式会社の協力で、実際の開発や検査の様子も知ることのできるお仕事漫画にもなっている。

その関係で、表紙にはおなじみのサガミオリジナルが登場している。 

「三白眼ちゃんは伝えたい。」1巻(空翔俊介)

気持ちを伝えるのがちょっと苦手な女の子の恋のお話。

水野あまねは隣の席の加藤くんが気になっているものの、緊張のあまり挨拶をするのが精一杯。

「三白眼ちゃんは伝えたい。」(空翔俊介)1巻より、がんばって挨拶する三白眼ちゃん
(「三白眼ちゃんは伝えたい。」1巻より)

それも出来てるとは言い難いのだけれど、相手が喜んでくれているので成り立ってはいるらしい。

なぜなら彼も彼女のことが気になっているからである。

もうお前ら付き合っちゃえよな状態で、クラスメイトたちもそう思っているのだが、二人のぎこちないやり取りを生温かく見守ってくれる優しい世界。

やがて付き合っても、末永く楽しませてくれるだろう。 

「うさぎのふらふら」1巻(隈井)

うさぎとまほ、仲良しな二人のふしぎな街歩き。

「うさぎのふらふら」(隈井)1巻より、おでん屋でまほ発見
(「うさぎのふらふら」1巻より) 

吉祥寺や赤羽、神田に江の島など実在の場所を舞台にしていながら、ほぼ全てのモブがうさぎというファンタジーな世界。

路上で酔っ払ったおっさんでさえ、かわいく描かれている。

エピソードの前半は二人のイチャイチャを、後半はお互いを探して街を徘徊するのが主なパターン。

その唐突さが狂気のようなものも感じさせるのだが、それはそれとしてふんわりとしたかわいさを満喫するのもいいだろう。

作者はクマノイ名義でイラストレーターをしており、先月も本が出ている。

ちなみに漫画家としては隈井(くまい)と読む。 

「mono」1巻(あfろ)

廃部寸前の写真部と映研の合併で生まれた新しい部、シネフォト研究部のメンバーたちの日々を描く。

作中で使われるカメラは、表紙にも登場するパノラマカメラがメイン。

「mono」(あfろ)1巻より、駄菓子屋がシネフォト研究部の部室代わり
(「mono」1巻より)

このような写真で彼女たちの日常が切り取られていく。

行きつけの近所の駄菓子屋が部室代わりになっているのも楽しそう。

部の実体は三人のアクティブな部員と一人の幽霊部員だが、そこに駄菓子屋の居候で漫画家の春乃やその友人、子供たちも巻き込んで、世代的にも広がりのある活動となっている。

「うらら迷路帖」6巻(はりかも)

占いの町・迷路町でうららと呼ばれる占師を目指す少女たちの物語。

6巻では、八番占の試験に合格した千矢たちが、共同で店を構えることに。

それは見習いとして最後の段階にある彼女たちの修行のためである。

「うらら迷路帖」(はりかも)6巻より、なつみ屋に初めてのお客
(「うらら迷路帖」6巻より)

「なつみ屋」に決まった店に初めてのお客は警ら隊のこの二人。

後半では千矢の育ての親セツの登場と、迷路帖の秘密が明らかになっていく。

連載も終わりが近いんじゃないかとの噂もあるが、単行本だけではなんとも言えない。

「ブサメンガチファイター」2巻(弘松涼、上月ヲサム)

転生前に自分のステータスを振り分けできるシステムのある異世界もの。

特記事項で弱点を増やせばボーナスポイントが付くことを発見した主人公のしげるは、ルックスや金運を最低ランクまで爆下げし、女性に触れると命の危険まである条件を入れることでチート級の能力を得た。

神の如き力を持つ代わりに社会生活が困難となるため、ソロでの活動をするつもりだったが、出発地点から自動でパーティーを組まされた爽やかイケメンやツンデレお嬢様たちと行動を共にすることになるのである。

2巻の表紙は仲間のイケメンの方。

今回はメンバーの職業や目的地も決定し、旅が始まろうとしている。

「ブサメンガチファイター」2巻より、装備を整えて旅立ち
(「ブサメンガチファイター」2巻より) 

その中で明らかになったのは、みんなけっこう特記事項を使いこなしているらしいということ。

そして、メンバーは転生前にも面識があるようで…

当初はしげるを嫌っていたようにも見えた聖華が、正ヒロインとして存在感を増してきた。

「ギャルごはん」5巻(太陽まりい)

学校一のギャルと噂の岡崎みくは、料理研究部員。

彼女は顧問の矢部先生に恋をしている。

2年生に進級して、生徒会長に就任した藤原小春からライバル宣言も飛び出したその恋の行方に、さらなる強敵が現れそう。

ライバルとは言っても、同じ相手を好きな同志としての良好な関係を保っているのはいいね。

「ギャルごはん」(太陽まりい)5巻より、岡崎みくの口調を真似する藤原小春
(「ギャルごはん」5巻より)

それも岡崎のフレンドリーな性格によるものが大きい。

そこに着目した藤原が話し方を真似てみた結果は…

他の生徒会メンバーには見せられない姿だ。

でもいい笑顔をするようになってきた。

「GIGANT」2巻(奥浩哉)

映画監督を目指す高校生の零とAV女優のパピコとの出会いと、彼らの周りに起こる不思議な出来事を描く。

2巻は、投票で1位を取った項目が現実化するという謎のサイトETEが社会問題化していく。

そしてパピコへの思いを抑えられない零は彼女に告白をするのだった。

告白からの彼の言動が非常に気持ち悪いのだが、気持ちはわかるぞとなる黒歴史具合で、すごく痛い。

でもその彼の行動が東京を救うかもしれないし、そんな感情を吹き飛ばす熱い展開になってきた。

「GIGANT」(奥浩哉)2巻より、東京に巨人が出現
(「GIGANT」2巻より)

これは巨大化しかない。 

「乙姫ダイバー」1巻(袁藤沖人)

世界的な災害で大半が海に沈んでから16年後、江ノ島女子海洋学校に入学した少女たちの姿を描いている。

航海士科・衛生士科・通信士科・主計士科・機関士科・潜水士科の6つの専科のあるこの学校で、彼女たちは海で生きる術を学んでいく。

「乙姫ダイバー」(袁藤沖人)1巻より、海に潜る潜水士科の少女たち
(「乙姫ダイバー」1巻より)

中心になるのは潜水士科の竜宮湊(たつみや みなと)や奥入瀬汐(おいらせ うしお)。

彼女たちの学校生活ともに、この世界に存在する奇々怪々な出来事が明らかになっていく。

電子書籍では先行配信している単話版と、単行本1巻があるので注意。

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