2019年10月に読んだ中で、おすすめの漫画をいくつか紹介する。
注目作は最終巻を迎えた「荒ぶる季節の乙女どもよ。」と「ふしぎの国の有栖川さん」。
前回はこちら。
「サマータイムレンダ」8巻(田中靖規)
人口数百人の島で起こる怪現象「影の病」。
姿と記憶をコピーした何者かが住人と入れ替わっていくSFサスペンス。
8巻は、ウシオの記憶をシェアする能力を使って窓の妹・朱鷺子と警察官の凸村を味方に引き入れ影たちを迎え撃つ。
ループのことをハイネに知られた慎平は最優先で命を狙われるようになっている。
短期間に何度も死ぬことで戻れる地点と再開地点の間隔が狭まっていくが、それを加速させようというのである。
その限界点はもう見えるところにあった。
今度の戦いを最後にしたいところなのだが…
慎平の立てた戦略で相手を追い詰めることに成功するものの、あと一歩で取り逃がしてしまう。
敵にとって大きな戦力であるシデに何か重大な秘密が隠されていたり?
今回かなりいい線いってただけに、もう同じ手が通用しないのは厳しいなと。
いよいよクライマックスへ向かう次巻が待ち遠しい。
「チェンソーマン」4巻(藤本タツキ)
半人半魔の少年が、かつて世界を震撼させた「銃の悪魔」との戦いに身を投じていくアクションファンタジー。
4巻は、銃の悪魔と契約したヤクザたちの襲撃によって公安特異課が壊滅状態に。
1課から4課までを合併させたメンバーで生き残りを掛けた反撃に出る。
ほぼ人外で構成された新生特異課の中で、人間であるアキ先輩は新たな悪魔との契約で戦いに挑むのである。
これ以上差し出せる寿命が残っていないためでもあるが、どうやらまともな死に方はできないらしい。
せめて復讐は遂げさせてあげたいけれど…
「SPY×FAMILY」2巻(遠藤達哉)
東西の平和を脅かす危険人物の動向を探るため、名門イーデン校の懇親会へ潜入を命じられた凄腕のスパイ、コードネーム「黄昏」。
2巻は、アーニャの学校生活がスタート。
実は標的の現れる懇親会への参加のためには、特待生「皇帝の学徒(インペリアル・スカラー)」に選出される必要があるが、条件の厳しさからクリアするのはかなり難しい。
そこで息子と同じクラスになって仲良くなる別プランを狙うのだが…
当の本人にアーニャの必殺パンチが炸裂。
存在を印象づけることには成功したようだ。
そのことをきっかけに友達もできたし、後々大逆転も狙えそうな予感はするところに収まった。
アーニャの処世術関連の素質はすごいね。
あとはお勉強ができれば言うことなし。
「荒ぶる季節の乙女どもよ。」8巻(岡田麿里、絵本奈央)
高校の文芸部員たちの、思春期の悩みに翻弄される姿を描く群像劇。
8巻は、曾根崎先輩の退学処分撤回を求めて立ち上がった文芸部の乙女たち。
ミロ先生を人質にして立て籠もるという破天荒な行動に出るのだが、そもそもが校長たちによる理不尽な見せしめから始まっているのでバランスが取れているとも言えるだろうか。
この夏に放送されたアニメ版の方も同時期に結末を迎えることになった。
その上でこの原作最終巻の見所は、彼女たちのその後が描かれている点にある。
みんなが笑顔で迎えるラストが待っていることがなかなか想像できなかったのだけど、見事に乗り切って成長した姿を見せてくれた。
「スローループ」2巻(うちのまいこ)
親の再婚で姉妹になった山川ひよりと海凪小春。
二人が仲良くなるきっかけになったのは釣りだった。
2巻では、吉永家のイベントで出会った釣り船屋の一花の案内で船釣りに挑戦したり、新しい釣り友達ができたり、順調に幅が広がっていく。
ひよりがフライフィッシングしかしないこともあり、小春も初めてのエサ釣りに興奮しきりである。
表紙では恋ちゃんがロッドを持っているが、今回は小春のコーチ役で本人の参加は3巻で実現しそう。
「捕食系ヒロインにあと1年以内に食べられます」1巻(森下suu)
月の世界のお姫様である転校生・月里カゲンに求愛された普通の高校生の亜野たいよう。
実は幼い頃にお忍びで来日していた彼女を助けたことで、初恋の相手になっていたのだった。
彼らには、異星間の恋愛であるハードルの他にも越えなければならない問題がある。
月人の習慣として恋仲になった相手を強い方が捕食すること。
彼女の滞在期間の1年の間に、これを秘密裏に解決しなければならないのだった。
もちろん食べられたくはないのだが、好きを突き詰めた結果でもあり無下にもできない二人の葛藤がいじらしい。
「化物語」7巻(西尾維新、大暮維人)
吸血鬼に魅入られた少年とその周囲に起こる怪異を描く物語。
7巻は「なでこスネイク」。
忍野の依頼で訪ねた古い神社で、呪いの現場と妹の友人・千石撫子の姿を目撃した阿良々木暦と神原駿河。
彼女もまた怪異に巻き込まれているのではないかと考えた阿良々木は、自らも関わることを選ぶのだった。
もともとは中学生同士の嫉妬が原因での不完全な呪いだったものを、先回りして解呪の儀を正しい手順で行ってしまったことにより、自ら受け入れてしまったのではないかとのこと。
とは言え、実際に現場を見てしまうとその悪質さに無視できないものは確かにあったのだ。
解決編は8巻へ続く。
阿良々木・神原コンビのやりとりが仲良さそうで好きだな。
「それでも歩は寄せてくる」2巻(山本崇一朗)
自称将棋部部長のうるしセンパイと彼女に恋する後輩の歩によるラブコメディ。
2巻では、新入部員を獲得して正式な部への昇格を夢見るセンパイの笑顔のために歩が奔走する。
二人で過ごす時間が何よりも大事であることには変わりがないが、それでもセンパイが喜んでくれるならと行動に移すのである。
そこで登場するのが個人的に楽しみにしていた図書委員コンビの桜子とタケル。
幼馴染みの歩に協力して幽霊部員として参加をしてくれる。
催眠術で言うことを聞かせるのが得意だが、おそらく素の状態の方が強力だろうね。
「さよなら私のクラマー」10巻(新川直司)
高校女子サッカーを舞台に、弱小蕨青南高校で奮闘する選手たちを描く群像劇。
10巻はインターリーグ決勝の興蓮館戦で追い詰められたワラビーズ。
打開策の一つは周防を右サイドに持ってくることだった。
スピードを生かして相手ゴールに迫るものの、常に九谷が顔を見せている。
こんなに重要な選手になってるとは思わなかったけど、いい出会いがあったんだろうね。
日本一のチームに勝つのは難しいだろうけど、まだ可能性はある。
あとは白鳥の覚醒か?
「異世界おじさん」3巻(殆ど死んでいる)
17年振りに異世界から帰還したおじさんと、彼を引き取ることになった甥のたかふみの日常コメディ。
3巻は、メイベルの意外な出自とおじさんの強さの秘密が判明する。
また、凍神剣問題のお詫びとして彼女にも指輪が贈られたことにより、エルフのツンデレさんが危機感を募らせるのであった。
おじさんを巡る三角関係の誕生か?
メイベルの、養ってもらえるのならプライドなど捨て去りそうなこの表情。
三人でパーティー組んでも面白そうなんだけどね。
たとえ別行動でも偶然に顔を合わせる機会は増えるだろうと期待したい。
「天国大魔境」3巻(石黒正数)
大災害で廃墟となった世界で天国と呼ばれる場所を探すマルとキルコ、壁に囲まれた施設で外の世界に興味を持つトキオとミミヒメ。
病で寝たきりだった施設の子供の一人であるタラオが亡くなった。
火葬後に残ったのは、マルが人食いを倒すときに見られる核のようなもの。
関係者も予想外だったようだが、奥の保育器の部屋の秘密と関係があるのだろうか。
一方で、マルたちも偶然同じ特徴を持つ人間に出会っていた。
人食いと人間が完全に別の存在ではない可能性が出てきたということかも知れない。
「空電の姫君」1巻(冬目景)
ギター少女の保坂磨音(ほさか まお)とミステリアスな転校生・支倉夜祈子(はせくら よきこ)の交流を描く青春ストーリー。
月刊バーズの休刊により、講談社のイブニングに移籍しての1冊目。
初ライブが終わってギターを弾けなくなった磨音が、スランプを抜け出して再び同じステージに立つまでの気になる部分はこちらで描かれている。
復活に大きな力となったのはやはり夜祈子の存在。
二人がこうしてセッションするのは実は珍しいのだけど、これから増えていくといいな。
「小さいノゾミと大きなユメ」1巻(浜弓場双)
山中でなぜか小さい体になっていた女子高生のノゾミは、猫に追いかけられた末に引きこもりニートの汚部屋に辿り着くのだが…
相手が酔っ払いでちょっとアホだったため妄想の姿という設定で共同生活をすることに。
うまく協力させて元の姿に戻りたいところだけど、誰かが本来のノゾミの姿で生活しているかもしれない疑惑も出てくるのである。
小さな体で危険な冒険をするのと、ユメのニート生活を更生させるのと、どちらが早道なのか。
「幼女戦記」16巻(カルロ・ゼン、東條チカ)
統一歴1920年代、帝国と周辺諸国の戦争において、幼少ながら「ラインの悪魔」として恐れられた将校がいた。
彼女の名は、ターニャ・デグレチャフ。
16巻は、マッドサイエンティストのシューゲル博士による人力長距離噴進弾(秘匿名称V-1)でフランソワ共和国の司令部を直接叩く作戦に出る。
作戦理解の速さから、後方参謀の方が向いているとのレルゲン中佐の皮肉に喜んで反応するのであるが…
実際にそんな日が来るとは到底思えないのであった。
第二〇三航空魔導大隊の中から選抜されたメンバーで戦地へ向かうことになる。
問題は、燃料を燃焼させる機関の耐久性がクリアできないため、エレニウム九七式の防御膜が不可欠ということ。
理論上は大丈夫なはず、というやつである。
命懸けの作戦に出るターニャたちは到着まで生き残れるのか。
「ふしぎの国の有栖川さん」9巻(オザキアキラ)
過保護な祖父に育てられた箱入り娘の有栖川さんと、天然王子な野宮くんとの恋物語。
9巻は、ついにラスボスである有栖川さんの祖父との対面を果たすことに。
二人の仲を認めてもらえるのか?
その過保護ぶりと頑固さは、元はと言えば孫への深い愛情から来るものであり、理解を得られればこれ以上ない味方になってくれるかも知れない。
ただこれまでの印象だと一筋縄では行かないだろう。
覚悟を決めなければならない。
見栄や背伸びではない、若さと未熟さを認めた上での等身大の誠意の見せ方が好印象だった。
そして気になるもう一組であるスガヤンとなっちゃんのその後も垣間見えるのである。
「その着せ替え人形 は恋をする」4巻(福田晋一)
雛人形の頭師を目指す五条新菜(ごじょう わかな)とクラスのギャル喜多川海夢(きたがわ まりん)が一緒にコスプレ活動をすることになるラブコメディ。
4巻は、海夢の憧れのコスプレイヤー・ジュジュ(乾紗寿叶)との「合わせ」での撮影が実現。
準備をする中で、妹の心寿もコスプレをしてみたいのではと感じた新菜は密かに彼女の手伝いをすることになるのであった。
表紙は、海夢の好きなゲームのキャラクター、ベロニカ。
戦闘モードになるところがお気に入りらしく、とにかく下乳が最高とのこと。
それを新菜が再現するわけでありましょう。
「ちょろいですよ鬼殺さん!」1巻(いわさきまさかず)
新しくやって来た転校生の鬼殺さんはちょっと変わった女の子。
16年間修業の日々を送っていたのだが、ついに念願の鬼を討ち果たして普通の生活を始めることになったのだった。
隣の席の生徒・酒井根くんによる観察で、少しずつ彼女のことが分かってくる。
人間社会に慣れていないため人見知りで恥ずかしがりやの彼女が普通の女の子らしい日々を送れるのかどうか。
酒井根くんとの初デートに挑むエピソードが好き。