午前3時の太陽

おすすめ漫画の紹介と注目の新刊コミックのレビューブログ

2015-01-01から1年間の記事一覧

「パイレーツ・ロック」海の上の海賊ラジオ局

「パイレーツ・ロック」はリチャード・カーティス監督による2009年公開の映画。 1960年代の人気海賊ラジオ局と政府の対立、ロックな日常を描いている。 あらすじ 1966年、イギリスのBBC(英国放送協会)はポピュラー音楽の放送を1日45分までに制限していた。…

「泥棒成金」偽物を追って宝石泥棒の新旧対決

「泥棒成金」はアルフレッド・ヒッチコック監督による1955年公開の映画。 盗難事件の容疑をかけられた男が自力で犯人を追う。 あらすじ フランスのリゾート地リヴィエラでは、近頃宝石の盗難事件が連続していた。 上層階の裕福な婦人ばかりを狙った鮮やかな…

「三十四丁目の奇蹟」大人が問われるサンタを信じますか問題

「三十四丁目の奇蹟」は1947年公開の映画。 クリスマス映画の名作としてこの時期には定番の作品だ。 www.cinematoday.jp 2013年版で1位、2014年版では2位。 あらすじ マンハッタンの34丁目にあるデパート、メイシーズ*1では、毎年感謝祭のパレード*2を企画し…

「スノーマンとスノードッグ」クリスマスの夜はスノーマンと一緒に

「スノーマンとスノードッグ」は2012年公開のアニメ作品。 イギリスの童話作家、レイモンド・ブリッグズ原作の「スノーマン」を元に、同名のアニメの30年振りの続編である。 スノーマン 1978年に絵本が出版され、その後アニメーションで忠実に再現された「ス…

Amazonプライムビデオでおすすめの映画を紹介するよ

2017/02/19 更新 Amazonプライムに登録して1年が経った。 プライムビデオを観るのが目的だったわけだけど、そのまま2年目も続行することとにした。 HuluやNetflixと比較するよりは、とりあえず入っとけばいいんじゃないのというポジションである。

「アナスタシア」記憶喪失の少女は元王女

「アナスタシア」は1997年公開のアニメ映画。 1917年に滅亡したロマノフ朝最後の王女アナスタシアの伝説をもとに描いたファンタジーロマンス。 あらすじ ロマノフ家統治300年を祝うパーティーで、アナスタシアは祖母であるマリー皇太后よりプレゼントを渡さ…

「あるいは裏切りという名の犬」愛と友情と憎しみの果てに

「あるいは裏切りという名の犬」は2004年公開のフランス映画。 1980年代に起きた現金強奪事件と警察内部の権力抗争、“ロワゾー事件”。 警察出身のオリヴィエ・マルシャル監督が、当事者ドミニク・ロワゾーを共同脚本に迎え、かつて親友だった二人の男の対立…

「ポーラー・エクスプレス」見えないものの大切さ

「ポーラー・エクスプレス」はロバート・ゼメキス監督による2004年公開の映画。 北極へ向かう列車ポーラー・エクスプレスへ乗って冒険の旅へ。 あらすじ クリスマス・イブの夜、少年はまだ寝付けない。 「サンタなんかいないかも」 妹のように無邪気にサンタ…

「ヒューゴの不思議な発明」失われた過去を取り戻す力

「ヒューゴの不思議な発明」は2011年公開の映画。 マーティン・スコセッシ監督の映画への愛があふれる作品だ。 あらすじ 1931年の冬、パリのモンパルナス駅の時計塔の中に一人の少年が暮らしていた。 ヒューゴは時計職人であった父を亡くし、駅の時計の管理…

2015年版、今年出会った1曲(音楽ブログ企画)

はじめに、「今年出会った、最高の1曲!!」企画 アブさん(id:dulbywork)の企画に参加したい。 参考はこちらの記事。 dulbywork.hatenablog.com あなたが今年出会ったお気に入りの1曲を教えてください。ジャンルはなんでもO.K!※もちろん今年の曲でなくても…

「河内山宗俊」“悪に強きは善にもと” 熱い男の生き様

「河内山宗俊」(こうちやまそうしゅん)は1936年公開の山中貞雄監督による時代劇映画。 ”幻の天才監督” 山中貞雄の現存する三本の作品の一つで、先日亡くなった女優原節子のデビュー当時の映像が見られる貴重な映画である。 「無頼の輩が『この美しい瞳のた…

「花とアリス殺人事件」二人の出会いと友情の始まり

「花とアリス殺人事件」は2015年公開の、岩井俊二監督による初の長編アニメ映画。 2004年の実写映画「花とアリス」の前日譚である。 あらすじ 史上最強の転校生、アリス。史上最強のひきこもり、花。 二人が出逢ったとき、世界で一番小さな殺人事件が起こっ…

「メイジーの瞳」血のつながりは家族の必須条件ではない

「メイジーの瞳」は2013年公開(日本では2014年)の映画。 1897年に発表されたヘンリー・ジェイムズ*1の小説「メイジーの知ったこと」を現代のニューヨークに置き換え、家族のありかた、子供への愛情の必要性を問う。 あらすじ ニューヨークに住むメイジーは…

「ミス・ポター」ピーターラビット誕生の物語

「ミス・ポター」はクリス・ヌーナン監督による2006年公開の映画。 絵本「ピーターラビット」シリーズの作者であるビアトリクス・ポターの半生を描いている。 あらすじ 20世紀初頭のロンドン、 ビアトリクス・ポターは出版社を探し歩いていた。 自身が生み出…

「ウォーム・ボディーズ」進撃のゾンビ、恋をする

「ウォーム・ボディーズ」はジョナサン・レヴィン監督による2013年公開の作品。 ポップでロックなゾンビ映画である。 普段ゾンビ映画を観ない、グロい描写が苦手な人にもおすすめ。 多くの映画で、駆逐される存在であったゾンビの側から人間を見ることができ…

「過去のない男」人生は前にしか進まない

「過去のない男」は、アキ・カウリスマキ監督による2002年公開のフィンランド映画。 怪我で記憶を失った男が、見知らぬ町で新しい生き方を見つけていく。 あらすじ ヘルシンキのとある駅に降り立った男がベンチでうとうとしていると、三人組の男たちに突然襲…

「ラヴィ・ド・ボエーム」カウリスマキ版ボヘミアン生活の情景

「ラヴィ・ド・ボエーム」はフィンランドのアキ・カウリスマキ監督による1992年公開の作品。 フランスの作家アンリ・ミュルジェールの自伝的小説「ボヘミアン生活の情景」を原作としている。 同原作を元にした有名なものはプッチーニ*1のオペラ、「ラ・ボエ…

「麦の穂をゆらす風」アイルランドの魂の歌

「麦の穂をゆらす風」はケン・ローチ監督による2006年公開の映画。 1920年頃のアイルランドのある地方の兄弟を中心に、独立戦争から内戦までを描いている。 この作品に興味を持ったのは、タイトルが気になったからだった。 「The Wind That Shakes The Barle…

「続・黄金の七人 レインボー作戦」今度は七千トンだ!イタリア版峰不二子大活躍

「続・黄金の七人 レインボー作戦」は1966年公開のイタリアのお洒落泥棒映画。 今回は某国政府の後ろ盾を得て、南米の独裁者誘拐とお宝7000トンの金塊を狙う。 前作はこちら。 あらすじ イタリアの遺跡の上に建つ銀行から、地下道の列車を使って金庫をそっく…

「黄金の七人」裏切りさえも計画通りだ

「黄金の七人」は1965年公開のイタリアのコメディ映画。 七人の男たちと美女による金塊強奪作戦。 世界一安全といわれるスイスの銀行の金庫から、7トンの金塊を盗み出す。 先日紹介したミニミニ大作戦に似た流れだが、今度のヒロインは悪女だ。 吹替はDVD版…

「メルシィ!人生」会社をクビと言われた男の起死回生のカムアウト

「メルシィ!人生」はフランシス・ヴェベール監督が「奇人たちの晩餐会」に続いて発表した2001年公開のコメディ映画。 パッケージデザインの残念な感じと違って中身はいい。 あらすじ フランソワ・ピニョンは真面目だけが取り柄の会社員。 妻には離婚され息…

「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」ハッピーエンド希望

「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」はブラッド・シルバーリング監督による2004年公開の映画。 レモニー・スニケット(ダニエル・ハンドラー)による児童小説「世にも不幸なできごと」シリーズ*1を映画化したものである。 ボードレール家の三姉弟…

「ミニミニ大作戦」トリノの街を駆け抜けるほのぼのカーチェイス

ミニミニ大作戦は1969年公開のほのぼのカーアクション映画。 トリノの街をミニが駆け抜ける。 あらすじ ロンドンの刑務所で2年間の服役を終えたチャーリーが友人のベッカーマンを訪ねると、彼はすでに事故で亡くなっていた。 イタリアからの400万ドルの金塊…

「リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード」

「リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード」は、2015年秋の公開映画。 文化庁の若手アニメーター育成プロジェクト「アニメミライ2013」において発表された吉成曜の初監督作「リトルウィッチアカデミア」の続編である。 第一章 リトルウィッチアカデ…

「薩摩剣士隼人」たぎる薩摩の風が吹く!これが鹿児島ご当地キャラだ。

薩摩剣士隼人をご存知だろうか。 2015年10月よりTOKYO MXで放送が開始された番組だ。 数年前、ゆるキャラブームが起こり、お隣の熊本県ではくまモンが全国区になりつつあった。 一方、鹿児島では、

「ピアノ・レッスン」ピアノをめぐる死と再生の物語

「ピアノ・レッスン」はジェーン・カンピオン監督による1993年公開の映画。 ニュージーランドに渡った親子の現地の人々との交流、ピアノを巡る死と再生の物語。 海辺に置き去りにされたピアノ。 マイケル・ナイマンのピアノを聴いたのは中学生くらいの頃。 …

映画「パプリカ」夢と現実の間に。必要なのは一振りのスパイス。

「パプリカ」は2006年に公開された今敏監督の4作目の作品。 虚構と現実の交錯は全作通して見られる特徴であるが、この「パプリカ」では夢の世界が境界を破って侵入してくる。 僕は今敏監督作品ではこれが一番好きだ。「千年女優」も捨てがたいけれど。 ただ…

「ウィンターズ・ボーン」17歳の少女の家族を守る覚悟と強さ

「ウィンターズ・ボーン」はデブラ・グラニク監督による2010年公開の映画。 行方不明の父を探す。家を、家族を守るため。 あらすじ アメリカのミズーリ州、ヒルビリーと呼ばれるスコットランド系の人々が暮らす小さな村。 17歳の少女リー・ドリーの家に、保…

「映画 立川談志」ある落語家のドキュメンタリー

芸の神はこんな処か、もう少し楽しませてくれてもいいのに 2012年、立川談志の一周忌に合わせて作られた企画映画である。ドキュメンタリータッチで、著書で語られた言葉をいくつか採り上げつつ、高座の映像を紹介している。 落語家としての立川談志像に迫る…

「ヒックとドラゴン」唯一の悩みも、一緒だったら自慢になる

少年はドラゴンに「翼」をあたえ、ドラゴンは少年に「勇気」をあたえた 「ヒックとドラゴン」はディーン・デュボア監督によ2010年公開の3Dアニメ映画。 気弱なバイキングの少年と、怪我をして飛べなくなったドラゴンの友情を描く。